2011年10月28日
相馬選手ハセツネ2011レースレポート
有言実行!
速くて強い 相馬 剛選手が、ハセツネに帰ってきた!!
その優勝した相馬選手より、
レースレポートのメールをいただきました。
(相馬さんハセツネゴール直後のインタビュー風景画像)
このハセツネ2011レースレポートは、今日までの3年間
相馬選手をサポートしてきた以下三社に送られ(贈られ)たものです。
彼をリカバリーでサポートするサプリメント ZENニュートリション
レース中の脂肪燃焼効率を高め乳酸値をキープするアミノ酸飲料 VESPA
そしてレース中に 膝 と 足首 のパフォーマンスを支え、レース後のアイシングで
パフォーマンスを支える ニューハレ
以上にある画像3つのカップが写った写真は、相馬さん自ら添付してくれた画像です。
レポートを読むとその感謝の気持ちと心使いがうかがえ
共に喜びを分かち合う事の幸せを感じました。
以下レースレポートです。********************
2007年・・・何もわからず、勢いだけで日本山岳耐久レースを勝った。
それから4年。
4年という歳月は、僕にとってどんな意味があったのだろう?
その結果がもうすぐわかる。
今年は春先に一時調子を落としたが、9月に入り、ようやくレースに向け集中力が高まってきたようだ。
ただ、昨年からバイクトレーニングを月間1300kmほど取り入れたため、その分、
ラントレーニングが450kmくらいまで減った。
それまで、月間700km以上走っていたから、「これだけ走った」という拠りどころを失った心は
どこかで不安を感じている。
私達、アマチュアのアスリートは、多くのことと折り合いをつけながら競技を続けている。
それは当たり前のことだし、そのことを恨めしく思うことはないのだが、
時々、それを言い訳にしそうになる自分がたまらなく嫌だ。
なにはともあれ、僕は今年もこのレースを走り、そして勝つためにやってきた。
スタートライン。
いつもどおり、最前列から少し下がった右端に立つ。
目を閉じて、レース中に起こるもっとも辛い場面を想像する。
そして、それを克服する自分をさらに想像する。
僕がレース中に最もおそれているのは、辛さに対し、自分の心が折れてしまうこと。
長いレースでは、心を常に前へ向けていることはとても難しいし、
予想外のレース展開やトラブルに見舞われればなおさらだ。
僕には心に刻んでいる一つの言葉がある。それは、鏑木さんの言葉。
「ゴールまでに全ての力を出し切る」
これ以外に何があるだろうか?
順位やタイムは、相対的なものであり、自分と他の選手の関係性の中で決まるものだ。
しかし、全力を尽くすことは唯一、確かなものとして自分の中に残る。
少なくとも僕にとっての「走る」ことの魅力や楽しみは、
全力も尽くさずに笑ってゴールすることではない。
10月23日13:00、72kmの最初の一歩を踏み出す。
これから待ち受ける困難を知っているから、気持ちの高ぶりはない。
前には30人ほどの選手がいる。
スターティングリストを見ていないので、詳しくわからなかったが、
どの選手も優勝を狙い、そして、その実力を備えた者達だ。
数kmのロードを経て、トップでトレイルへ。
5、6人のトップグループが形成された頃を見計らって、
若干ペースを上げ、他の選手のコンディションをチェック。
トレイルや自分の状態も含め、後の選手の息遣い、
アップダウンの走りなどを感覚的に捉える。
拷問ともいえるアップダウンを繰り返し、第1関門の浅間峠に到着。
すぐ後には1人の選手。
奥宮 俊祐。
驚きはしない。僕は彼の速さ、強さ、そして怖さを知っている。
尊敬している選手の1人だ。
この時点で、僕は最後まで彼とトップを争う覚悟を決めた。
ほんの少しの疲れを感じ、三頭山山頂へ。
ここからは、標高的には下り基調になるが、実際には細かいアップダウンが続き、
下り部分も荒れたトレイルが多い。
さらに雨の影響でトレイルが少しスリッピーで思いのほかペースが上がらない。
後続との差を広げることはできたが、実は予想以上に脚にきていた。
簡単には勝たしてくれないだろう。どんなレースでも楽勝なんて有り得ない。
第2関門の月夜見峠。
あいにく濃い霧に覆われ、夜空に月は見えないが、そのかわり、
エイドステーションの灯りが一瞬、体の疲れを忘れさせてくれる。
ここから、さらにペースが落ちる。
例年、御前山あたりで一気に気温が下がり、オーバーヒートした筋肉が冷やされ、
再び脚が動き始めるのだが、今年は生温い南風がいつまでも吹き続けている。
コースレコードが難しくなり、辛さに負けそうになるが、
あの言葉を思い出し、どうにか心を正しい方向へ導く。
大岳山は最後の大きな上り。
ここまでほぼ1歩も歩くことなくきたが、ここの鎖場だけは足だけでなく手も使って攀じ登る。
僕は下りが下手だ。だから、上りも走ってタイムを稼ぐしかない。これが自分のスタイル。
いよいよ、金比羅尾根に入る。
2007年、奥宮選手とのデットヒートの中で感じた、
山との一体感・・・自分が山に溶け込んでしまいそうなあの感覚。
残念ながら、今年は感じることができなかった。
自分はいろいろなことを知り過ぎてしまったのかもしれない。
いつの日か再び、心の鎧を脱ぎ捨てて、山と純粋に向き合いことができるだろうか?
トレイルを抜け、住宅街が見える。僕はこの瞬間が大好きだ。
結果の良し悪しで喜びの度合いは変わるが、この安堵感はいつだって同じ。
「もう走りたくない」そう思ってゴールできることが一番の幸せなんだろう。
また、ここへ戻ってきた。
誰よりも早く。
心の中で「ただいま」と一言呟いた。
過去は変えることができない。
けれど、「今この時」を精一杯生きれば、その過去に意味を持たせることはできると思う。
この4年間、いろいろなことを経験し、喜びや苦しさも味わったが、なにより、
その中で多くの人との出会いがあった。
今僕は、自分にとって4年という歳月は、必要な時間だったと自信を持って言える。
これからどんな未来が待っているのだろう?
未来を切り開く力も、「今この時」にかかっている。
目指すべき山の頂は見えない。
しかし、山頂へ向かって1本の険しいトレイルが延びている。
どうやら、この道を走り続けるしかなさそうだ。
2011年秋 トレイルランナー 相馬 剛
レース後2位になった奥宮選手と 都岳連の旗の前で
オマケ・・・・・・・
ただ、昨年からバイクトレーニングを月間1300kmほど取り入れたため、その分、
ラントレーニングが450kmくらいまで減った。
それまで、月間700km以上走っていたから、「これだけ走った」という拠りどころを失った心は
どこかで不安を感じている。
私達、アマチュアのアスリートは、多くのことと折り合いをつけながら競技を続けている。
それは当たり前のことだし、そのことを恨めしく思うことはないのだが、
時々、それを言い訳にしそうになる自分がたまらなく嫌だ。
なにはともあれ、僕は今年もこのレースを走り、そして勝つためにやってきた。
スタートライン。
いつもどおり、最前列から少し下がった右端に立つ。
目を閉じて、レース中に起こるもっとも辛い場面を想像する。
そして、それを克服する自分をさらに想像する。
僕がレース中に最もおそれているのは、辛さに対し、自分の心が折れてしまうこと。
長いレースでは、心を常に前へ向けていることはとても難しいし、
予想外のレース展開やトラブルに見舞われればなおさらだ。
僕には心に刻んでいる一つの言葉がある。それは、鏑木さんの言葉。
「ゴールまでに全ての力を出し切る」
これ以外に何があるだろうか?
順位やタイムは、相対的なものであり、自分と他の選手の関係性の中で決まるものだ。
しかし、全力を尽くすことは唯一、確かなものとして自分の中に残る。
少なくとも僕にとっての「走る」ことの魅力や楽しみは、
全力も尽くさずに笑ってゴールすることではない。
10月23日13:00、72kmの最初の一歩を踏み出す。
これから待ち受ける困難を知っているから、気持ちの高ぶりはない。
前には30人ほどの選手がいる。
スターティングリストを見ていないので、詳しくわからなかったが、
どの選手も優勝を狙い、そして、その実力を備えた者達だ。
数kmのロードを経て、トップでトレイルへ。
5、6人のトップグループが形成された頃を見計らって、
若干ペースを上げ、他の選手のコンディションをチェック。
トレイルや自分の状態も含め、後の選手の息遣い、
アップダウンの走りなどを感覚的に捉える。
拷問ともいえるアップダウンを繰り返し、第1関門の浅間峠に到着。
すぐ後には1人の選手。
奥宮 俊祐。
驚きはしない。僕は彼の速さ、強さ、そして怖さを知っている。
尊敬している選手の1人だ。
この時点で、僕は最後まで彼とトップを争う覚悟を決めた。
ほんの少しの疲れを感じ、三頭山山頂へ。
ここからは、標高的には下り基調になるが、実際には細かいアップダウンが続き、
下り部分も荒れたトレイルが多い。
さらに雨の影響でトレイルが少しスリッピーで思いのほかペースが上がらない。
後続との差を広げることはできたが、実は予想以上に脚にきていた。
簡単には勝たしてくれないだろう。どんなレースでも楽勝なんて有り得ない。
第2関門の月夜見峠。
あいにく濃い霧に覆われ、夜空に月は見えないが、そのかわり、
エイドステーションの灯りが一瞬、体の疲れを忘れさせてくれる。
ここから、さらにペースが落ちる。
例年、御前山あたりで一気に気温が下がり、オーバーヒートした筋肉が冷やされ、
再び脚が動き始めるのだが、今年は生温い南風がいつまでも吹き続けている。
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あの言葉を思い出し、どうにか心を正しい方向へ導く。
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僕は下りが下手だ。だから、上りも走ってタイムを稼ぐしかない。これが自分のスタイル。
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オマケ・・・・・・・
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Posted by ニューハレ・アクタ at 00:02│Comments(0)
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