2012年12月17日
【レースレポート】上越国際トレイルフェスティバル
ニューハレサポートアスリートのトレイルランナー・浦野裕之選手から、11月3日・4日に新潟県南魚沼市・十日町市の上越国際スキー場を舞台に開催された「SUZUKI X-adventureトレイルシリーズ最終戦(第4戦)SALOMON/SUUNTO上越国際トレイルフェスティバル」のレポートが届いていますので紹介します。
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件名: 上越国際トレイルフェスティバルレポート(浦野裕之)
芥田さん
こんにちは。
先日の上越国際トレイルフェスティバルではお世話になりました。
また、ハードスケジュールでお疲れの所、朝早くからテープを貼っていただき、ありがとうございました。
予想通りのスピードレースで自分の体を極限まで追い込むようなレースでしたが、ニューハレのおかげで競技に集中できました。
レース後半のきついところで芥田さん、斎藤さんがハイタッチをしてくださり、力が出ました。
さて、レースレポートを添付して送らせていただきます。
来月にも3本のレースを控えていますが、がっちりニューハレを貼っていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。
浦野裕之
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件名: 上越国際トレイルフェスティバルレポート(浦野裕之)

こんにちは。
先日の上越国際トレイルフェスティバルではお世話になりました。
また、ハードスケジュールでお疲れの所、朝早くからテープを貼っていただき、ありがとうございました。
予想通りのスピードレースで自分の体を極限まで追い込むようなレースでしたが、ニューハレのおかげで競技に集中できました。
レース後半のきついところで芥田さん、斎藤さんがハイタッチをしてくださり、力が出ました。
さて、レースレポートを添付して送らせていただきます。
来月にも3本のレースを控えていますが、がっちりニューハレを貼っていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。
浦野裕之
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上越国際トレイルフェスティバル レースレポート
期日2012年11月4日(日)
スタート時刻 AM6:30
距離 35km
記録 2時間44分49秒
結果 総合4位
使用ギア ウェア:EXO S-LAB TANK
TWIN SKIN EXO S-LAB SHORT
ソックス:RX S-LAB
シューズ:S-LAB SENSE
ベルト:XR SENSIBELT
HRモニター:AMBIT
テーピング:New-Hale 腰、膝、ふくらはぎ、足首
リザルト http://www.salomon-trail.com/joetsukokusai/result/2012g_men.pdf
10月の斑尾フォレストトレイルでは自分のペースを守って走り、後半追い上げて準優勝という結果を得ることができた。しかしながら、優勝するためには自分のペースを守るだけでは不十分で、やはりそこには相手を意識した駆け引きが存在することを感じさせられたレースでもあった。
このことを踏まえて、今回の上越国際トレイルフェスティバルで自分が掲げたテーマは「リミッターカット」。自分のペースに固執することなく、相手に勝負を仕掛けていきたいと考えた。今回の35kmという距離は、前回の斑尾フォレスト50kmより距離が短いということもあり、前回より速いペースで走ろうと考えた。エントリーしている選手を見ると、サロモンのチームメイトは今季好調の大杉選手、マウンテンランニング日本代表のスピードランナー飯田選手、富士登山5合目優勝の小出選手。インサイドアウトのチームメイトで実力者の山田琢也選手。さらには実績のある貝瀬選手や村井選手の名も見られ、序盤からハイペースの展開になることが予想された。
<レース展開>
スタート時、肌寒さはあったものの、思ったよりも暖かく感じられた。アームウォーマーとグローブを着用して走ろうと考えていたが、アームウォーマーの着用をやめた。実際には走り始めると寒くはないものの、腕が冷たかった。やはりアームウォーマーを着用しておいて、暑くなったら外せばよかったと感じた。
レース自体はスタート直後から予想通り飯田選手が飛び出し、大杉選手がそこにぴったりつく形で展開した。その後ろに山田琢也選手、私、小出選手、村井選手あたりが追う形となった。レース前半はひたすら登り。心拍数はすでに170拍/分を超えていたが、気にすることなく、ペースを保ち続けた。太腿にはじわじわと乳酸が溜まり、動きが鈍ってゆく。前を行く選手とは差が少しずつ開いていった。飯田選手と大杉選手を山田選手が追いかけ、少し差が開いて村井選手、さらに少し差が開いて私という位置取りだった。
大沢峠のエイドステーション(6km地点)で給水し、当間集落方面へと進んでいった。私の後ろからは一般のランナーも迫り、この後、2名のランナーに先行された。
ここまでロードやスキー場内の走れる上り坂が続き、前を走る選手たちとこの差が築き上げられた。この状況を打開するには下り坂で心拍数を下げないように飛ばすしかないと思った。スキー場内の石がごろごろしている下り坂に入ったところでもペースを緩めることなく走り、2名のランナーを抜くことに成功した。その先には4位を走る村井選手の姿も見えてきた。この区間で先行する選手との差を一気に詰めることができた。そして当間集落のエイドステーション(15km地点)に到着するあたりで村井選手に追いついた。「前の選手見えますか?」と声をかけると、「まだ1分ぐらいしか開いていないんじゃないかな。」とのこと。先行する選手の姿は見えないがあきらめずに前を追おうという意欲が湧いた。
当間集落のエイドステーションを後にして、川を渡るといよいよ登山道に突入した。急登の階段が続く。やっとトレイルランニングっぽくなってきた。相変わらず足には大量の乳酸が蓄積していることを感じる。ぎりぎりの状態で村井選手と共に歩を進めるといつの間にか後ろのランナーは見えなくなっていった。階段を登りきるときれいなブナ林が広がっており、思わず歓声をあげながら走った。この区間は走っていて本当に気持ちよかった。途中、ハイキングに来ていた団体の人たちがハイタッチで応援してくれて、最高に気持ちよかった。ここがこのレースの中で一番気持ちの良いポイントだった。
その後、当間山頂まで走ったり歩いたりしながら進むが、前の選手の姿は見えない。途中で「前の選手と約5分差です。」という情報をもらった。思ったより差がついてしまったが、当間山頂からは下り基調のコース。ここでどれだけ詰められるかがカギになりそうだ。
当間山頂(23km地点)に着くころには単独4位となり、ふかふかの落ち葉の上を下ってゆく。途中、うっすらと積もった雪の上を走る区間もあった。
当間山エリアを後にして再び大沢峠へと向かう。前後に全く選手がいなくなり、一瞬ミスコースしたのかと心配になる場面もあったが、遥か遠くに先行する選手の姿を見つけ、ほっとしながら進む。あいかわらず太腿には乳酸が蓄積され、動きが鈍ってきている。とはいえ、ここまでハイペースで展開してきたので、こうなることは想定の範囲内だった。
大沢峠エイドステーション(29km地点)を過ぎるとシルバーコース(12km)の選手とコースが一緒になった。こうなると誰がゴールドコースの選手で誰がシルバーコースの選手なのか遠目には分からない。追い抜く選手に声をかけたりかけられたりして元気をもらいながらゴールを目指す。長く続くゲレンデの下りでも自分ではそれなりに飛ばしているつもりだった。しかし前は見えない。あと1kmの看板が見えたころ、になっても先行する選手の姿は見えない。この時点で自分は4位でフィニッシュするものだと思った。
ところが後から私についてくる足音が聞こえる。シルバーコースの選手がラストスパートをかけて私について来たのだろうと思いながら振り返ると胸にはゴールドコースのゼッケン。思わず2度見すると足音の主は貝瀬選手だった。今まで全く気配を感じさせなかった貝瀬選手だったが、ここまで猛追してきたのだろう。彼はやはり実力者だった。しかし、私もここで抜かれるわけにはいかない。貝瀬選手が一瞬私に並んだが、ここで私もスパートをかけた。貝瀬選手が私にくらいついてくるのが足音で分かる。貝瀬選手には何度か負けているので、彼の走力の高さは怖い。それでもゴール直前はスピード全開でゲレンデを一気に下り降りた。結果、何とか貝瀬選手を振り切り、4位でフィニッシュすることができた。
終わってみれば3位の大杉選手とは5分26秒、2位の山田選手とは6分39秒、優勝した飯田選手とは11分47秒の差がついていた。
<考察>
今回のレースではペースを抑えた場面はなかったし、むしろ、これ以上ペースを上げると失速してしまうというぎりぎりのところで走り続けたように思う。自分が今も持っている力は出し切った。しかしながら上位の3人とこのタイム差がついたことを考えると、ペース配分に問題があったとは思えない。また、レース当日の体調も良かった。
そう考えると、レースでこれ以上の結果を残そうと思ったらトレーニングで自分の走力を高めるしかない。特に自分が高めたいのは上り坂での走力である。走力というより耐乳酸性能力といったほうがいいのかもしれない。今回のレースでは前半から続く長い上り坂で差をつけられてしまった。ここぞという勝負所でスピードを上げた時に足に乳酸が溜まってペースが上げられなくなってしまうのでは勝つことはできない。これは距離の長いレースになったときにも言えることだ。
以上が反省点だが、収穫もあった。1,2,3位の選手には差をつけられてしまったが、途中で競り合いになった村井選手、貝瀬選手には勝つことができた。これは相手に勝つことを意識して走ったからこその結果だと思う。
レース後は優勝した飯田選手と練習方法について話すなど、チームメイト同士のコミュニケーションを図ることもできて、今後のトレーニングの方向性を見つめ直すにも非常にいい機会となった。
今までは1週間に1回はトラックで1000m×5本や12000mビルドアップ走を行い、その他の日は基本的にジョグ、時間が取れるときは2~5時間ほどトレイルを走ったり山に登ったりしていた。次回の武田の杜トレイルランニングレースまでに、スピードを上げてトレイルの上り坂を走るようなトレーニングも取り入れていこうと思う。具体的には登り坂で3~5分程度のレースペース以上のスピードで5本とか、どこかの山で登山道一気登りタイムトライアルをやってみたい。
<補給について>
今回は距離が短いこと、レース中に3回エイドステーションを通過できることからウエストボトルを選択し、400ml程度のスポーツドリンクを入れた。エイドで水を飲み、エイドとエイドの間を持参したドリンクでつなごうという考えだった。気温が低かったこともあり、エイドステーションでボトルに水を追加することなく走りきることができた。ジェルはハニースティンガーを4本分携帯し、100%レモン汁で割った。レース中30分おきに補給し、エネルギー切れになることはなかった。気温が低く夏場のレースに比べて発汗量が少ないということもあり、電解質異常も無く、実力を出し切って走ることができたと思う。
<シューズについて>
今回のコースは砂利道やゲレンデ、ロードの比率が高く、登山道などのテクニカルなセクションが少ないことからS-LABsense(以下sense)を使用した。トレイルシューズは今までロードを走るには重く、どうしてもごつごつした固い走り心地になってしまうシューズが多かったのだが、senseはロードでもロードランニングシューズと変わらない走り心地である。さらにsenseの真価が発揮されるのは未舗装路に入ってからだ。前日の雨でぬかるんだゲレンデの斜面は土が柔らかく、一歩足を出すたびにずるずると後ろに滑ってしまう部分があった。周りの選手の中には靴に泥がへばりついて下駄のようになっている選手もいたが、senseは泥がソールにつくこともなく、使っていて快適だった。ソールの凹凸が浅い分、余分な土を拾わなくて済む。また、石がごろごろしている下り坂でも躊躇なく攻めていくことができた。Senseのソールは薄いので石をもろに踏めばその衝撃がダイレクトに足に来てしまうが、そうならないように足の置場さえ選ぶことができれば、これほど足取り軽く障害物をよけていくことの出来るシューズは他にない。
中盤私の前を走っていた選手は濡れた石や木でスリップして苦労していた。彼が履いていたシューズはアウトソールの凸凹の高さが高いモデルだった。Senseは接地面積が広いので前の選手がスリップして苦労している場面でも心配なく走ることができた。
senseが良いのは軽さとアウトソールのパターンだけではない。アッパーの作りも実に見事だ。「ENDOFIT」構造はタン全体が足を包み込むような構造となっているが、これが本当に足に吸い付いてくるような履き心地なのだ。これほどまでに足を優しく包み込むような履き心地は他のシューズにはない。また、縫い目は最小限に抑えられているので今までにない快適な履き心地だ。また、細かい所だが、つま先部分の丸い形と適度な硬さが障害物からの衝撃を和らげてくれている。このようにsenseは無駄なものを省き、必要な部分をしっかりと押さえて作られている。
練習の時に他のメーカーのシューズを履いてみたことがあるが、正直、senseと比べて物足りなさを感じてしまった。一番はアッパーの作りがsenseの方が断然しっかりしているということ。それからサロモン独自のテクノロジー、「クイックレース」の使い勝手が非常にいいということ。ワンタッチでシューズを締め付ける強度を調節できるこのシステムはやはり優れものだ。これに慣れると靴ひもを縛ったりほどいたりしてさらに靴ひもを引っ張って締め付け強度を調節することは実に煩わしい。
また、senseは「HEEL DROP」構造により、足の接地時間の短い理想のランニングフォームを保ちやすくなる。正直、このシューズを初めて履いた時に、主観的にではあるが自分のランニングフォームが改善されるということが衝撃的だった。
今年の夏にsenseを履きはじめたころは、今までのがっちりしたトレイルランニングシューズに慣れていたためかsenseのサポート力に物足りなさを感じていたが、履きこむにつれてシューズの特性も理解できたし、自分の感覚も備わってきた。野沢温泉マウンテントレイル、白馬国際トレイルランニング、野麦トレイル、斑尾フォレストと大会の度に使用してきたが、履く回を増すごとにsenseの良さが分かるようになっていった。
☆今後のレース予定
12月1日(土)ツールド長野(最大120km)
12月9日(日)武田の杜トレイルランニングレース30km
12月16日(日)伊勢の森トレイルランニングレース20km
期日2012年11月4日(日)
スタート時刻 AM6:30
距離 35km
記録 2時間44分49秒
結果 総合4位
使用ギア ウェア:EXO S-LAB TANK
TWIN SKIN EXO S-LAB SHORT
ソックス:RX S-LAB
シューズ:S-LAB SENSE
ベルト:XR SENSIBELT
HRモニター:AMBIT
テーピング:New-Hale 腰、膝、ふくらはぎ、足首
リザルト http://www.salomon-trail.com/joetsukokusai/result/2012g_men.pdf
10月の斑尾フォレストトレイルでは自分のペースを守って走り、後半追い上げて準優勝という結果を得ることができた。しかしながら、優勝するためには自分のペースを守るだけでは不十分で、やはりそこには相手を意識した駆け引きが存在することを感じさせられたレースでもあった。
このことを踏まえて、今回の上越国際トレイルフェスティバルで自分が掲げたテーマは「リミッターカット」。自分のペースに固執することなく、相手に勝負を仕掛けていきたいと考えた。今回の35kmという距離は、前回の斑尾フォレスト50kmより距離が短いということもあり、前回より速いペースで走ろうと考えた。エントリーしている選手を見ると、サロモンのチームメイトは今季好調の大杉選手、マウンテンランニング日本代表のスピードランナー飯田選手、富士登山5合目優勝の小出選手。インサイドアウトのチームメイトで実力者の山田琢也選手。さらには実績のある貝瀬選手や村井選手の名も見られ、序盤からハイペースの展開になることが予想された。
<レース展開>
スタート時、肌寒さはあったものの、思ったよりも暖かく感じられた。アームウォーマーとグローブを着用して走ろうと考えていたが、アームウォーマーの着用をやめた。実際には走り始めると寒くはないものの、腕が冷たかった。やはりアームウォーマーを着用しておいて、暑くなったら外せばよかったと感じた。
レース自体はスタート直後から予想通り飯田選手が飛び出し、大杉選手がそこにぴったりつく形で展開した。その後ろに山田琢也選手、私、小出選手、村井選手あたりが追う形となった。レース前半はひたすら登り。心拍数はすでに170拍/分を超えていたが、気にすることなく、ペースを保ち続けた。太腿にはじわじわと乳酸が溜まり、動きが鈍ってゆく。前を行く選手とは差が少しずつ開いていった。飯田選手と大杉選手を山田選手が追いかけ、少し差が開いて村井選手、さらに少し差が開いて私という位置取りだった。
大沢峠のエイドステーション(6km地点)で給水し、当間集落方面へと進んでいった。私の後ろからは一般のランナーも迫り、この後、2名のランナーに先行された。
ここまでロードやスキー場内の走れる上り坂が続き、前を走る選手たちとこの差が築き上げられた。この状況を打開するには下り坂で心拍数を下げないように飛ばすしかないと思った。スキー場内の石がごろごろしている下り坂に入ったところでもペースを緩めることなく走り、2名のランナーを抜くことに成功した。その先には4位を走る村井選手の姿も見えてきた。この区間で先行する選手との差を一気に詰めることができた。そして当間集落のエイドステーション(15km地点)に到着するあたりで村井選手に追いついた。「前の選手見えますか?」と声をかけると、「まだ1分ぐらいしか開いていないんじゃないかな。」とのこと。先行する選手の姿は見えないがあきらめずに前を追おうという意欲が湧いた。
当間集落のエイドステーションを後にして、川を渡るといよいよ登山道に突入した。急登の階段が続く。やっとトレイルランニングっぽくなってきた。相変わらず足には大量の乳酸が蓄積していることを感じる。ぎりぎりの状態で村井選手と共に歩を進めるといつの間にか後ろのランナーは見えなくなっていった。階段を登りきるときれいなブナ林が広がっており、思わず歓声をあげながら走った。この区間は走っていて本当に気持ちよかった。途中、ハイキングに来ていた団体の人たちがハイタッチで応援してくれて、最高に気持ちよかった。ここがこのレースの中で一番気持ちの良いポイントだった。
その後、当間山頂まで走ったり歩いたりしながら進むが、前の選手の姿は見えない。途中で「前の選手と約5分差です。」という情報をもらった。思ったより差がついてしまったが、当間山頂からは下り基調のコース。ここでどれだけ詰められるかがカギになりそうだ。
当間山頂(23km地点)に着くころには単独4位となり、ふかふかの落ち葉の上を下ってゆく。途中、うっすらと積もった雪の上を走る区間もあった。
当間山エリアを後にして再び大沢峠へと向かう。前後に全く選手がいなくなり、一瞬ミスコースしたのかと心配になる場面もあったが、遥か遠くに先行する選手の姿を見つけ、ほっとしながら進む。あいかわらず太腿には乳酸が蓄積され、動きが鈍ってきている。とはいえ、ここまでハイペースで展開してきたので、こうなることは想定の範囲内だった。
大沢峠エイドステーション(29km地点)を過ぎるとシルバーコース(12km)の選手とコースが一緒になった。こうなると誰がゴールドコースの選手で誰がシルバーコースの選手なのか遠目には分からない。追い抜く選手に声をかけたりかけられたりして元気をもらいながらゴールを目指す。長く続くゲレンデの下りでも自分ではそれなりに飛ばしているつもりだった。しかし前は見えない。あと1kmの看板が見えたころ、になっても先行する選手の姿は見えない。この時点で自分は4位でフィニッシュするものだと思った。
ところが後から私についてくる足音が聞こえる。シルバーコースの選手がラストスパートをかけて私について来たのだろうと思いながら振り返ると胸にはゴールドコースのゼッケン。思わず2度見すると足音の主は貝瀬選手だった。今まで全く気配を感じさせなかった貝瀬選手だったが、ここまで猛追してきたのだろう。彼はやはり実力者だった。しかし、私もここで抜かれるわけにはいかない。貝瀬選手が一瞬私に並んだが、ここで私もスパートをかけた。貝瀬選手が私にくらいついてくるのが足音で分かる。貝瀬選手には何度か負けているので、彼の走力の高さは怖い。それでもゴール直前はスピード全開でゲレンデを一気に下り降りた。結果、何とか貝瀬選手を振り切り、4位でフィニッシュすることができた。
終わってみれば3位の大杉選手とは5分26秒、2位の山田選手とは6分39秒、優勝した飯田選手とは11分47秒の差がついていた。
<考察>
今回のレースではペースを抑えた場面はなかったし、むしろ、これ以上ペースを上げると失速してしまうというぎりぎりのところで走り続けたように思う。自分が今も持っている力は出し切った。しかしながら上位の3人とこのタイム差がついたことを考えると、ペース配分に問題があったとは思えない。また、レース当日の体調も良かった。
そう考えると、レースでこれ以上の結果を残そうと思ったらトレーニングで自分の走力を高めるしかない。特に自分が高めたいのは上り坂での走力である。走力というより耐乳酸性能力といったほうがいいのかもしれない。今回のレースでは前半から続く長い上り坂で差をつけられてしまった。ここぞという勝負所でスピードを上げた時に足に乳酸が溜まってペースが上げられなくなってしまうのでは勝つことはできない。これは距離の長いレースになったときにも言えることだ。
以上が反省点だが、収穫もあった。1,2,3位の選手には差をつけられてしまったが、途中で競り合いになった村井選手、貝瀬選手には勝つことができた。これは相手に勝つことを意識して走ったからこその結果だと思う。
レース後は優勝した飯田選手と練習方法について話すなど、チームメイト同士のコミュニケーションを図ることもできて、今後のトレーニングの方向性を見つめ直すにも非常にいい機会となった。
今までは1週間に1回はトラックで1000m×5本や12000mビルドアップ走を行い、その他の日は基本的にジョグ、時間が取れるときは2~5時間ほどトレイルを走ったり山に登ったりしていた。次回の武田の杜トレイルランニングレースまでに、スピードを上げてトレイルの上り坂を走るようなトレーニングも取り入れていこうと思う。具体的には登り坂で3~5分程度のレースペース以上のスピードで5本とか、どこかの山で登山道一気登りタイムトライアルをやってみたい。
<補給について>
今回は距離が短いこと、レース中に3回エイドステーションを通過できることからウエストボトルを選択し、400ml程度のスポーツドリンクを入れた。エイドで水を飲み、エイドとエイドの間を持参したドリンクでつなごうという考えだった。気温が低かったこともあり、エイドステーションでボトルに水を追加することなく走りきることができた。ジェルはハニースティンガーを4本分携帯し、100%レモン汁で割った。レース中30分おきに補給し、エネルギー切れになることはなかった。気温が低く夏場のレースに比べて発汗量が少ないということもあり、電解質異常も無く、実力を出し切って走ることができたと思う。
<シューズについて>

中盤私の前を走っていた選手は濡れた石や木でスリップして苦労していた。彼が履いていたシューズはアウトソールの凸凹の高さが高いモデルだった。Senseは接地面積が広いので前の選手がスリップして苦労している場面でも心配なく走ることができた。
senseが良いのは軽さとアウトソールのパターンだけではない。アッパーの作りも実に見事だ。「ENDOFIT」構造はタン全体が足を包み込むような構造となっているが、これが本当に足に吸い付いてくるような履き心地なのだ。これほどまでに足を優しく包み込むような履き心地は他のシューズにはない。また、縫い目は最小限に抑えられているので今までにない快適な履き心地だ。また、細かい所だが、つま先部分の丸い形と適度な硬さが障害物からの衝撃を和らげてくれている。このようにsenseは無駄なものを省き、必要な部分をしっかりと押さえて作られている。
練習の時に他のメーカーのシューズを履いてみたことがあるが、正直、senseと比べて物足りなさを感じてしまった。一番はアッパーの作りがsenseの方が断然しっかりしているということ。それからサロモン独自のテクノロジー、「クイックレース」の使い勝手が非常にいいということ。ワンタッチでシューズを締め付ける強度を調節できるこのシステムはやはり優れものだ。これに慣れると靴ひもを縛ったりほどいたりしてさらに靴ひもを引っ張って締め付け強度を調節することは実に煩わしい。
また、senseは「HEEL DROP」構造により、足の接地時間の短い理想のランニングフォームを保ちやすくなる。正直、このシューズを初めて履いた時に、主観的にではあるが自分のランニングフォームが改善されるということが衝撃的だった。
今年の夏にsenseを履きはじめたころは、今までのがっちりしたトレイルランニングシューズに慣れていたためかsenseのサポート力に物足りなさを感じていたが、履きこむにつれてシューズの特性も理解できたし、自分の感覚も備わってきた。野沢温泉マウンテントレイル、白馬国際トレイルランニング、野麦トレイル、斑尾フォレストと大会の度に使用してきたが、履く回を増すごとにsenseの良さが分かるようになっていった。
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Posted by ニューハレ・アクタ at 08:25│Comments(0)
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